三番瀬2023
以前ここに来たときは鳩しかいなかった。600mmのレンズを持ち意気揚々と海岸に向かいいざご対面の瞬間に視界に飛び込んだのはドバトだった。自宅近所でみるドバトと相違ないようだった。そこから1時間、ドバト以外の来訪者は近所の幼稚園からピクニックにやってきたと思われるキャッキャと騒ぐ子供たちだけだった。だけど今回は違った。幼稚園児の代わりにハマシギ、ミヤコドリ、ダイゼンが来ていた。海の見た目も前回とは大分に違う。干潟がちゃんとできていた。前回は満潮にやってきてしまったのだ。干満の差は海の見た目も訪れる者たちも私の気分も変えてしまうのだ。干潟は干潮を経て顕れたいくつかの水たまりが大きな地図のようなものを作り出していて、その上で鳥たちが餌を探したり場所を変えたり忙しなく動き回っていた。低い太陽の光が水たまりに照り返されて水の上を歩く鳥を包み込んでいた。満潮に近づくにつれ、水たまりは結託して池となり、そのまま海原に取り込まれていった。
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